悪くはなかったゲド戦記

週末にゲド戦記を観に行った。
酷評を予め聞いていたからか悪くはないと思い
むしろ良かった。個人的に好きな世界観だった。
(お世辞とかではなく・・観るまでどんな酷さなのかと思っていたぐらい)
正直、酷評に惑わされていた感があった。

宮崎駿監督と違う部分は、心の暗い部分(シリアスな)の起伏で
進んでいく映画ということ、例えるなら駿監督は基本的に心の明るい部分の起伏で
進む映画に対し、吾朗監督はこの映画ではその逆をいっている気がした。
観ている人の心が暗いまま進んでいくので面白くなかったという意見が多いのかも・・。(個人的にはそういうの好きだったりする)
ナウシカやもののけ姫もブラックな部分があるが、両者ともバランスよく「明るい」部分を兼ね備えていた。その程よいバランスが映画に深みを与え、説得力が増し宮崎ワールドを作り出していると思う。
今回は「明るい」部分はほとんど感じられない。そこが駿監督との違いかなと。ただ、ジブリ以外に「暗い」部分をメインに表現した映画は沢山あるしこういうのもアリじゃないかなと思ったわけだ。実写映画的というか・・
ワクワク、楽しい、感動、キャラクターに愛着が沸く、映画の世界に行ってみたい!とか、とはまたちょっとちがう遊びのあまり無いストレートな映画。

作り自体が粗悪なのかなと思いきや、台詞もしっかり聞き取れたし、絵が雑という意見があるが、シンプル(描かれている物が少ない)なのが雑と映ってしまったのかと個人的に思う。決して手を抜いている感は無く基本的な風景はさすがはジブリという感じであった。月夜の雰囲気とか雲の動きはすごく雰囲気が出ていて良かった。
荒を探せば絵の動きが若干雑なと感じる部分はあったが今までジブリといえばCG等の最新技術が幾度となくクローズアップされそこから比べると地味でも、基本的な技法で丁寧に作られている・・そういう印象だった。ナウシカの頃のあの悪くない「荒さ」に似ていた。まず背伸びしたことをやるよりも基本に忠実な方をという選択だったのかもしれない。
最近のジブリは色使いが派手だが、ナウシカやラピュタの頃の色合いに近くあの地味な色使いは個人的には気に入っている。
千と千尋や、ハウルから宮崎アニメを知った人は特にいろんな面で180度違う性格の映画になると思う。

脚本が破綻しているという批判も多々見受けられたがそれもあまり感じず、あえて言えばというくらいで、それなりに分かりやすく、訴えたいこともそれなりに理解できた。
疑問点をいろいろと感じてしまうのは分析的に観すぎてしまってる点があると思う。単純に観れば、映画の主題を考えた時に、その疑問点はあまり重要じゃないということだ。
エンターテイメント性に欠けるのでその分ストーリーの不備が気になるということだと思う。
最近、自分自身、分析的に物事を見てしまう癖があって(これって直感とか純粋な良さが分からなくなってしまって良いことなしだったりするのだが)
どうしても、あれはどうなった?、これは何故?となりがちなのだが、それは心が飢えているのかもしれない。

この記事へのコメント

通りすがりの
2006年08月16日 18:01
僕も観てきましたが、確かに某映画評論家の言うようなクズでは無かったです。普通に観れます。でももう少し話の展開の起伏が欲しかったかなぁ。
のっぺりしている下手な絵画のような感じが少ししました。
初監督にしては合格点だと思いました。
HeeFoo
2006年08月17日 21:45
そうですね。エンターテイメントを意識すると起伏があったほうが良いんでしょうけど、あの映画はそういう映画じゃない気がしました。一つ改めて思ったのは
宮崎駿監督は、やり方が上手い!ってことです。(すべてにおいて)

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